読書レビュー~恋と言葉遣い~

キーワードから辿って来られると、失望させるので書名からの検索にかからないようにします。

読書感想文は昔から苦手で苦手で、夏休みの宿題の最後に残るものだったので、本筋?とか主題とかとはズレてると思います。

 

余り知らなかったけれど、結構話題の作品?男女がすれ違っていく、昔バージョンの君の名は、みたいな。と言っても昔バージョンの君の名は、は詳しく存じませんが。

 

愛し合っていながら、メールのやりとりで別れを決める男女。お互い恋していた人ではない相手と結婚を決め、男性には子どもまで出来る。国を跨いでの遠距離恋愛だったことで日本でうまく会えず、連絡をとれず、という設定で、このコミュニケーションツールが張り巡らされた現代のお話ですが、よく出来ています。

あーあの小説かな?と思われる方はここからストーリーに関連してます。←一応断ってみる。

 

3年後だかに、主人公がある女性と話していて、はっとカラクリに気づくのです。

 

リアリティー溢れるシーンです。

 

言葉遣いのtasteや雰囲気、っていうのは人によって違うし、親しい人なら文体がわかるのですよね。例えば話し言葉でも、仲良くしている人の口癖や独特の言葉遣いを無意識に真似している、ってありますよね。

強烈な言葉を選ぶ人については、その言葉がついウツルということもありますが、たいていの場合は親しかったり好きだったりする人の言葉遣いを真似してしまいます。

 

自分で好きな人の真似を無意識にしていて、はっとすることがありますが、人のことに気づくこともあります。この小説のこのシーンは、かなり切ないです。

 

もう一つ私が心にしみたテーマは、過去は変えられるか?ということです。明るい方へも悲しい方へも、未来から過去へ照射される出来事や思いによって、過去は全く別のものになる。過去を生きなおせるわけではないけれど、過去は書き換えられるのだということ。

 

私が生き辛く思っているこの現在にも、私の思ってもみない並行した世界があって、未来の私はそれを知ることもあるのかもしれない。そうだといい。
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画像はお借りしたものです。